ゆうちょが更生するらしい

朗報である。

頭の悪いセキュリティーで有名な郵貯が、やっとまともになるそうだ。

画像の表示はまったく意味がわからなかった。複数口座を持つ人がいま操作している口座がどれなのか (いわゆるプロファイル) を確認するのに役立つのかもしれない。しかし、銀行業界ではだいぶ前から原則として一人につき1口座しか作れなくしている。まあ、これは入力を伴わないので、よいだろう。

合言葉は頭の悪いセキュリティー界隈での定番である。さんざん批判されてきたが、やっと廃止される。

「利用停止してログアウト」は私が知る限り郵貯だけに見られる独特のしくみだ。通常のログアウトとは異なり、こちらを選ぶと次回ログイン時にはメールでワンタイムパスワードが送付される。メールや SMS によるワンタイムパスワードの送付は、頭の悪いセキュリティー界隈でも比較的穏当な部類ではある。しかし平文でのメールや SMS がどれだけセキュアでないのかを考えれば、むしろ冒険的なログイン手段だと考えるべきだろう。やっと縁が切れる。郵貯だけだが。

郵貯には他にも様々なトラップがある。口座番号とは別にお客様番号があるのはともかくとして、お客様番号の入力欄が3個 (okyakusamaBangou1, okyakusamaBangou2, okyakusamaBangou3) に分かれていて、パスワードマネージャーの円滑な利用 (の阻止) に挑戦している。13桁の番号を間違えずに入れることはできないと考えたのだろう。郵貯と農協はおそらく最も利用者層の幅が広い金融機関なのでやむを得ないのかもしれない。

なお、郵貯の送金額上限はたったの50,000円であり、ウェブでの上限引上手続は2営業日程度以上かかるうえ上限300,000円であり、それを超えるにはアプリか書面で手続をする必要がある。もともと1,000万上限の小口サービスだから、こんなものなのかもしれない。

電子帳簿保存法改正で楽になるのか

2020年10月から改正電子帳簿保存法が施行され、電磁的に発行されタイムスタンプを付与された請求書 (電子文書) が正本と扱えるようになった。電子帳簿保存法は電子帳簿の保存要件を定めるものでしかないので基本的には証憑の保存方法が変わるのみで、請求書や納品書等を根拠とした会計処理手順を変えるものではない。とはいうものの、これを機に支払処理などのルーチンワークを自動化したいと考える人は少なくないのではないか。経理も担当する人間としては関心を持たざるを得ない。

金融機関同様、携帯電話会社や電力会社などでは同一ユーザーでも契約が多岐にわたるので、請求書とは別に CSV ファイルで明細データを入手できる場合が多い。しかし中には紙で送付していた請求書の見てくれだけを PDF で再現して電子化でございと言っている事業者もいる。こうした事業者はユーザーの利便性など考えてはいない。紙がビットに代わったことが電子化だと思っている電子化低レベルユーザーへ割れ鍋に綴じ蓋なソリューションを提供している、知的貧困ビジネスに堕している。

一応金融機関とも呼べるクレジットカード会社でさえ、こうした貧困会社が存在する。たとえば ティーエス キュービック (TS3) だ。トヨタ系だから ENEOS カードのバックでもある。ここの請求データはダウンローダブルな形態では PDF イメージしか用意されていない。PDF から文字データを抽出することは一応可能ではある。しかし PDF では文字データは生成過程を反映して紙面上の配置とは無関係にデータ中に出現する。そしてその出現位置やレイアウトの定義は少なくともユーザーには開示されていない。簡単に言えばぐちゃぐちゃで、しかもいつ変更されるかもわからない。こんなものはデータではない。以前はもっとすさまじく、単独の数値が縦罫線で分割されていた。たとえば金額 32768円 がカンマ編集代わりの縦罫線で分割されて 32 と 768 と 円 に分かれていた。地獄のようだ。さすがにこの悪弊は除かれたが、復活しないとは限らない。

とはいえ、ENEOS カードの場合は今のところ救いがあり、利用明細がウェブ画面そのものの中にテキストで表示されている。スクレイピング後適当にパースすればデータ化は可能だ。ただし給油利用については別画面へ一度飛ばないと摘要がわからないという意味のわからない煩雑なつくりだが、自動化するならかろうじて許容できよう。

もっと困るのは、明細の出力ができず PDF の提供しかない場合である。たとえば大塚商会だ。こちらはタイムスタンプを付与した法的に有効な電子請求書を発行する。保存はそれでよい。しかしデータを抽出することができない。ゴミしか出ない。

印刷イメージを再現するレイアウト文書としての PDF は、事務屋がイメージするようなデータコンテナーではない。PDF ファイルは添付ファイルを内包することができる。だから使い方次第では PDF でデータ「も」提供することは可能だ。残念ながら世間では PDF は「書き換えできない」「テキストデータを抽出できる」ファイルという印象になってしまっている。もちろん、いずれも正しくない。知的貧困ビジネスによってなまじシステムが用意されてしまったので、当分の間 (少なくとも5年の償却期間が済むまで) 、私たちは相変わらず伝票を人力で読み取ってタイプしなおすという作業を続けることになるだろう。

なお、インフォマートのような見積 / 請求 / 納品等のプラットフォーマーに依存すればデータが入手できるのだが、あいにく大塚商会は自らと競合しかねないこうしたサービスには乗ってくれないようだ。残念。

Notion と BTRON

一部で人気の Notion (https://www.notion.so/) だが、いじってみると昔懐かしい BTRON (というより超漢字) の仮身化操作を思い出す。

超漢字では、文章を範囲選択してから仮身化すると、選択範囲を内容として持つ実身が作られ、実身の既定値は選択範囲の最初の段落 (の最初の20字) となった。

Notion では、表題としたい段落 (block) を Turn into で Page にすると、段落内容を表題とする新たなページが生成される。続く文章 (blocks) を選択して新たにできた Page へドラッグすると、選択範囲がその Page 内へ移動する。二段階の操作にはなるが、操作感としてはかなり仮身化に近い。

あるいは、あらかじめ最初の段落を Toggle にしておいて、その子要素にブロックを並べておいて、Toggle を Turn into Page してもよい。Toggle のテキストを表題とする Page が作られるだけでなく、元の子要素が取り込まれ、新しくできた Page へ移動する。これはほぼ仮身化の動作である。ただ、Toggle に変えて本文となる部分を Toggle の下 (中) へ移動する必要はある。

Notion の良さはなんと言っても文章データ中に自由に局所的なデータベースを置けることだ。そしてデータベースを様々なビューで見せられる。表示項目やフィルター条件、簡単な計算も設定できるし、データベース間の結合も可能だ。ビューは閲覧時にさまざまに切り替えられる。時代が進んだ感じは、ある。

統計再学習

先月から gacco で総務省統計局などが提供している統計関係のコースを受講している。「社会人のための」というごく入門的なものだ。学部では統計も学んだからこの水準であれば特に難しいこともないが、場末で働いていると Excel の回帰分析すら使わずに日々が流れていくので時にこうして DRAM のリフレッシュ動作のように再学習する必要がある。学部にいた頃、指導教授が統計データの一般開放、特にマイクロデータの提供について語っているのを横で聞いたことがある。それから30年以上経って、今では e-Stat に統計ダッシュボード、Miripo もあり、コンピューターやネットワークの性能も上がってよい時代になった。もっとも世の中はいっそう複雑怪奇になっているのかもしれない。

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Duolingo で 200-day Streak 達成。サインアップしたのは2018-08-08だが当初はあまり熱心に使っていない。200連続と同時にエスペラントの全課程を修了した。最後の方はエスペラントではなく英語の間違いや表現の差異でテスト不合格という訳のわからない状況だった。Duolingo で全課程修了と言ってもエスペラントで会話はおろかおそらく本もろくに読めない水準で、辞書を携えればボチボチと読める程度、会話は一部の単語は聞き取れるし全体の話題は推測できるが具体的な会話内容には全くついていけない。たぶん日本語で受講する英語コースも同じようなものだろう。Duolingo で学習できるのは初級レベル、せいぜい CEFR A2 程度ではないかと思う。

顧問、ねえ

口入れ屋が顧問紹介サービスを展開してきたが最近は技術顧問の紹介も商業化されているらしい。パートタイム労働に顧問というよくわからないラベリングをすると単価は上がりプライドも保てるという一挙両得の商売ではある。様々な人間関係の市場化――崩壊でもある――の一端だろう。そうは言っても掃き溜めに鶴まではいかなくとも亀程度の人材でさえ相対的に供給不足だから成り立つ商売で、意味がないわけでもない。

CardDAV サーバー

先日も触れたが現状で日本人向けと思われる CardDAV サーバーは iCloud が最大手であり、これを嫌う場合は ownCloud Contacts くらいしかないように思われる。ownCloud よりも Nextcloud の方が機能的には進んでいる雰囲気だが、Contacts については t-bucchi 氏のパッチが取り込まれるよりも前にフォークしたようで、残念ながらふりがなが使えない。手元のサーバーで ownCloud は (Nextcloud も) 稼働はさせているが、試しに ownCloud のホスティングサービスを探してみた。いくつもあるのだが、oCloud.de はかなり前から目にしていたような気がするので見に行ってみると、容量 1GB の無料プランがある。ownCloud / Nextcloud はしばしば Dropbox のようなサービスと紹介されているが、そうした観点からでは容量 1GB はいかにも手狭で、無料プランらしいと言える。しかし ownCloud / Nextcloud の真価は CalDAV / CardDAV にあるのかもしれず、こちらに着目するのであれば容量 1GB はかなり使いでがある。そこで早速使ってみることにした。今まで使ってきたサーバーは大手町の某所に収容されているようだが、ここから ocloud.de へ traceroute してみると千葉→サンタクララ→ニューヨーク→アムステルダム→フランクフルトとつながり、RTT は 250ms 程度だった。それなりだが、シェルを使うわけではないので問題はない。当面無料プランで十分だが、oCloud.de は 500GB プランでも月額1,000円程度なので価格競争力もそこそこある。もちろん iCloud の 2TB で月額1,300円には到底及ばないし、ホスティングだから構成の自由度も低いのだが、代替手段としては検討の余地があるだろう。

ownCloud

iCloud 以外で日本人のアドレス帳をまともに扱えるのは現状では ownCloud だけか。ぷちのいず氏 petit-noise.net がふりがな対応の pull request を出してくれたおかげだ。大いに感謝しつつ ownCloud ホスティングサービスを探すと、確か老舗の oCloud.de が無料ホスティングをしている。容量1GBだが家庭内でカレンダーやアドレス帳を共有する程度なら問題ない。ファイルサーバーとして使うなら100GB程度は欲しいがそれでも€6.9/moで悪くはない。

oCloud.de は Nextcloud も同じように提供している。今や Nextcloud の方がビデオ会議まで可能と明らかにできがよいのだが、ふりがなだけは如何ともし難い。

Zoho Sheet オンラインシートビューアと使い捨てシートの作成

Zoho が オンラインシートビューア という面白いサービスを始めていた。

ビューアと名乗っているが編集が可能であり、編集後のワークブックを .xlsx, .xls, .ods, .csv, .tsv, .pdf, .html でダウンロードできる。「使い捨てシートの作成」というボタンもあり、Zoho にアカウントを作成することなく Zoho Sheet の機能をほとんどすべて利用することができる。ざっと見たところ、共有機能と VBA マクロ/カスタム関数機能は使えないが、条件付き書式やピボットテーブル、ソルバー程度までは使えるようで、WPS Office Sheets 程度の機能はある。フォントは Windows での定番はカバーしている。日本語では MS 明朝, MS P明朝, MS ゴシック, MS Pゴシックが使える。

クラウド型のスプレッドシートといえば Google Docs のそれを一般的には思いつくだろうが、あちらは独自色がかなり強いのでオンプレミスの Excel と行き来しながら運用するのは辛い。

Zoho Sheet は Microsoft Excel との互換性が非常に高く、WPS Office に次ぐ。いわゆるクラウド型のスプレッドシートの中では最も高いと言ってよい。OS を問わず VBA マクロまで対応可能である。クラウド型であるから共有機能も充実している。マイナーであることだけが問題だが、実は Zoho はさほど小さな企業ではないのでサービスの継続性にも不安はない。もう少し盛り上がってほしいところだ。

ただし、なぜか登録ユーザーの Sheet では 日本語フォントが Noto Serif CJK JP のみとなる。これはいただけない。

統計偽装は何が問題か

統計不正問題はなぜ起こった?世界と比較すれば分かる「最大の元凶」
(ドクターZ 2019.02.03 現代ビジネス) https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59612)

という記事があった。要約すると次のようになる。

霞が関の統計に対する信頼が揺らいでいる。統計職員はここ15年で大きく減少し、先進各国に遅れを取っている。各省の減員幅を調整できないのは縦割り行政のせいだ。霞が関では文系官僚が跋扈し、彼らは数学の素養を要する統計を軽視している。スペシャリストの理系は出世できない。厚労省では医師の技官は局長止まりで統計ユーザーとしての能力が発揮されない。年金数理を扱う技官も縦割り行政のため旧労働省では活用されない。統計事務はさほど専門性のないノンキャリが担う結果、日本の統計業務は世界的に見劣りする。今回の不祥事は縦割りと人員・報酬カットのせいだ。

ドクターZという筆名(プロフィールにほぼ何も書いていないので実質は匿名だ)で適当なことを書いているものだ。日本で統計の地位が低いことは事実だろうが、いま問題となっている統計偽装は、理系だの数学だのという水準の問題ではない。官僚が適正手続を無視しているという問題だ。文系理系など噴飯ものの議論で、人員・報酬カットで水準が落ちたというのは倒錯した理解だ。日本ではデタラメな思いつきと派閥争いと集団思考で前提データなしに結論が先に決まり、その結論を正当化するための理論が捏造され、その理論に従ったデータが集められる。戦前もそうだったし、ここ20年ほどの劣化した政府でもそれが行われてきた。その程度の重要性しかあらかじめ与えられていない統計だからこそ、人員・予算が削減されてきたのである。人員や報酬を充実させても、日本政府あるいは日本人が右のようなデタラメな意思決定を続ける限り、統計の水準は下がることはあっても上がることはあるまい。また、官僚が適正手続を無視するというのは民主主義に対する重大な挑戦であって、テクニカルな是正が可能であるかのように語る人がいるとすれば、それは問題の隠蔽と改善と称する焼け太りを招くだけであろう。

鬼門:フリガナ

ownCloud から Nextcloud への移行を進めている。いつも面倒なのがフリガナだ。ownCloud のアドレス帳アプリ (Contacts/OC) は t-bucchi 氏の仕事 https://petit-noise.net/blog/phonetic-name-patch-is-merged-by-owncloud-contacts/ の恩恵に与り感謝に堪えないのだが、Nextcloud のアドレス帳アプリ (Contacts/NC) では残念ながらフリガナを扱えない。まったく細かいことなのだが、極東特殊民族語にはずっとついて回る話だ。アプリの中を覗いてみたがだいぶ構成が変わっているうえ、自分は PHP や JS を使いつけておらず、それなりに手間取りそうである。

vCard は1995年に策定されたらしい。最新の規格は vCard 4.0だ。ライブラリーは Sabre/DAV などいくつかあって、4.0もサポートしている。しかしどうもアプリケーションレベルでは3.0サポートが精々のようだ。Contacts/OC のフリガナ対応も X-PHONETIC-* を用いている。

もともと、フリガナは規格に入っていない。日本では携帯電話 (ガラケー) の普及に伴いアドレス帳の交換が必要になり vCard が広く利用されるようになったが、日本人にとってはフリガナはとても大切なものであるから、各社知恵を絞った (だろう) 結果、SOUND プロパティーに格納するようになった。これは元来 μLaw などの音声データを格納するためのものだ。ふりがなと発音は異なる概念である。ガラケー業界はここにシフトJIS (正確にはたぶんコードページ932) の文字列を格納した。まだ Unicode は規格として未成熟だったからだろう。後にスマートフォンの普及に伴って Unicode (の記述方式である UTF-8) が一般的になっていく。これと前後して vCard 3.0では SORT-STRING プロパティーが用意された。RFC には “To specify the family name or given name text to be used for national-language-specific sorting of the FN and N types.” とある。特にフリガナ用ではなく、どんな氏名表記体系であっても整列用の別途の表現を収容するために用意されたものだ。これもまたフリガナではなかった。vCard 4.0では SORT-AS パラメーターが設けられ、複数の整列キーを使えるようになった。これはこれで進歩だったが、すでにApple が X-PHONETIC-FIRST-NAME, X-PHONETIC-LAST-NAME を使っていて、目下これが事実上の標準となってしまっている。

vCard 4.0のサポートを明示しているアプリケーションは意外に目にすることがない。Thunderbird + CardBook のほか eM Client が4.0対応という話もあった。実際に eM Client で vCard を出力してみると、vCard 4.0ではあるようだがフリガナは X-PHONETIC-* で表現されている (追記: というのは誤りで、eM Client はふりがなを扱わないものの CardDAV / VCard から取り込んだデータの X-PHONETIC-* を破壊しないということのようだ)。 SORT-AS は N;SORT-AS=”{surname}, {givenname}”:{surname};{givenname};{middlename};{prefix};{postfix} のように用いられている。まさに整列用で正しいのだが、フリガナとしては使えない。結局、市場の多くで vCard 3.0 + X-PHONETIC-* が使われている模様である。

Sabre/DAV のドキュメントには次のような記載がある ( http://sabre.io/dav/building-a-carddav-client/#retain-full-vcards%21 ):

Our recommendation

  1. Download the vCard
  2. Retain the entire vCard and store it locally, or at least in some lossless way
  3. Parse the vCard and populate your models with the information that is relevant to you.
  4. Keep a reference to which vCard property maps to what information in the model.

これを遵守しているのか、Contacts/NC も自身が知らない X-PHONETIC-* を破壊せずにおくようだ。CardDAV サーバーとしての運用には堪えられる。

 

rm の恐怖を緩和する

rm でいきなり消すのではなく ~/.Trash へ mv するという、いつもの話。よく忘れる。

if [ -d $HOME/.Trash ]; then
alias rm='mv –backup=numbered –target-directory=$HOME/.Trash'
empty() { \rm -rf $HOME/.Trash/* }
fi

view raw
part_of_shrc.sh
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micro:bit にも表現の自由を

 

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深圳から Wavesharemicro:bit 用 LCD ユニット [^1] が届いた。これは1.8インチのLCDと制御回路を持つ基盤で、micro:bit の外部端子を挿入できるコネクターを備えている。LCD は160*128ドットで16ビットカラーだ。最初から micro:bit 用に作られていて、MakeCode (いわゆるブロック言語の体裁だが中味は JavaScript のスーパーセット・TypeScript のサブセットらしい) で扱えるようにライブラリーが提供されている [^2] 。早速動作確認をしてみた。全画面のリフレッシュなどは低速のようだが、複数の描画命令を出しておいて最後に実際の描画を指示するつくりになっている。描画のもたつきは感じさせずに済むようだ。文字表示も ASCII の範囲ではできるようだ。

信号線は決め打ちとなっている。外部端子全体を接続するコネクターだから問題ない。信号線の選択や出力の順序など具体的な部分はドライバーに隠蔽され、ユーザーは MakeCode 上でロジックとコンテンツに集中できるようになっている。もっともソースが開示されているので MicroPython からの出力も一応可能だろう。

これが1,800円ほどで販売されている。日本への送料は1,000円ほどかかる。汎用品 I2C 接続表示装置接続事例もあるようだが、古式ゆかしい16×2文字のモノクロ液晶では少々ものがなしい。

[^1]: https://www.waveshare.com/wiki/1.8inch_LCD_for_micro:bit
[^2]: https://github.com/waveshare/WSLCD1in8

Automagic 導入

Macrodroid は現状では高度な文字列処理ができない。HTTP GET はできるので単純な webhook で何かを起動する程度はできるが、レスポンスをパースしてデータを抽出するような真似はほぼ無理だ。Tasker や Macrodroid に類似したものとしては Automate, AutomateIt, Automagic などがある。いくつかの評判を読み、Automagic を300円で導入してみた。なかなか多機能だ。JavaScript とは少し異なる独自のスクリプト言語が使える。JSON や XML をパースする fromJSON(), executeXPathAsString() という関数がある。これで e-Stat も利用できる。

ホモ・デウス

しばらくぶりにいわゆる話題の本を買った。ハラリ「ホモ・デウス」だ。前評判は聞いていた。まだ上巻の途中だが途中なりの心象を書いておく。ずいぶん前にフランシス・フクヤマが「人間の終わり」で警告を発していたバイオテクノロジーの問題も含まれているが、やはり主な課題は計算科学、いわゆるAI問題だろう。人間と対峙すらしないデータがすべてを超越していくとき、つまり(通常の人間にとって知能は意識の一部にすぎないが)データによって意識なき知能が課題をはるかに良く解決し調和をもたらすのであれば、人間は(少なくとも旧来の人間は)存在の意味を問われざるを得ない。原著は2015年の発行である。映画では2014年に「オートマタ」「トランセンデンス」が、2013年には「her」「コングレス未来学会議」がすでに出ていて、ハラリと並行して同じ問題を捉えている。

そこで我に返って思い出すのが「日本人は勉強しない」問題だ。周囲を見ると実際勉強していない。勉強というよりも技術の進歩や変化に対する追従に過ぎないが、そんな枝葉の知識技芸も仕入れていない。基礎教養については言うまでもない。勉強しないから外界の変化もわからないので切迫感もない。ありとあらゆる怨嗟が湧きあがるがそれは措いて、いわゆるインプットが足りない問題と捉えよう。はたしてアウトプットが十分なのかどうかが問われるわけだが、インプットとアウトプットの関係は反比例や和一定の関係ではないし、「どちらでもないムダ時間」というのもあるのでさらに面倒だ。ムダ時間はスラックと呼ばれ別に意味があったりもする。インプットに注目してごく近い周囲だけに尋ねたところ、職場での総活動時間のうちインプットにかける(少なくともアウトプットのない)時間のシェアは最大10%程度で、これを超過すれば周囲の目が気になるそうだ。自分の感覚とも合致する。しかし考えてみればまったく足りないように思う。昨今の状況では総活動時間の40-50%程度をインプットに使わないと追いつかないのではないか。そして先端に行くほどインプットとアウトプットの境界は曖昧になるだろう。

Medium や note はまだ使えない

今は Medium やら note やらもあり、もうブログじゃない感じが充満している。確かにブログは (特に WordPress は) 素人が気軽にコンテンツをさらす場所ではなくなった。プロ、というかお金で仕事をする人々が、プラグインと有償画像と SNS リンクと JavaScript を山ほどぶち込んで運営するプラットフォームになった。

とはいえ、歴史ある WordPress は侮れない。とりあえず、Omni Notes から共有メニューで記事を送ろうとすると、WordPress は候補に出てくるが、Medium は出てこない。Omni Notes を起点にすると決めたところなので、これは困った。

Medium は書きやすいという評価もあるようだし、写真を貼り込んだりするのであれば純正アプリを使う必要もあるだろう。それでも思考の垂れ流しとしては主体はテキストで、共有メニューが使えないとなるとクリップボード経由なので操作手順が格段に増える。それは避けたい。IFTTT で書き込みまでできれば、ぐっと楽になるだろう。もっとも、写真の一枚も貼り込めないのであれば、メディアとしての価値は下がるだろうが。

メモ書き用に Omni Notes

Android のテキストエディターには QuickEdit を使うことにした。これとは別に、普段の手軽なメモ書き用アプリ (note taking app) も必要だ。iOS では Drafts という個性的なアプリがある。“Drafts, Where Text Starts.” というコピーが示すように、様々な行動の起点としてテキストを書き留め蓄積するものだ。テキストに対するアクションを自由に作ることができ、URL スキームと x-callback-url を利用しての活躍ぶりは このへん を読むとよくわかる。Drafts 5 からはサブスクリプションモデルへ移行したようで TCO は上がるだろうがその価値はある。Android でも利用したいアプリの一つだ。

Android では Omni Notes を導入した。次のような興味深い機能を持つ。

  • 各テキストは本文と表題をセットにしたもの (ノート) で管理される。
  • ノートへのショートカットをホーム画面に追加でき、ホーム画面から特定のノートを直接開ける。
  • ノートにリマインダーを設定できる。
  • スケッチモードがある。ノートへのファイル添付の応用機能だが、ノートを書いている途中で別のアプリを起動せずにいきなり簡単な描画ができ、それを添付ファイルとして保管しておける。書く作業の中断を最小限に抑える工夫である。
  • ノートの表題と本文の別を保って他のアプリへの共有が可能。たとえば WordPress アプリへ共有すれば、表題と本文が記入された状態で投稿画面が開く。

タグなど今時の機能はひととおりあるし、撮影や録音も直接可能で、位置情報の記録まである。Drafts では URL スキームを自分で書いて Android でいう共有の動作を細かく制御することができるが、Omni Notes ではそこまでの細かな動作はできない。しかし、そこをゴリゴリと書くような人であれば、もう Tasker を使うだろう。

 

携帯端末を経由して Day One へ投稿する

Day One (ここでは Day One 2) は iOS でライフログをとる快適な環境だ。OS X でも快適に使える。最近では Android アプリもあるが、iOS 版ほど丁寧に作りこまれていないように思う。Windows や Linux などではアプリがないから、Chrome 拡張機能を使って投稿することになる。だがこの拡張機能には閲覧機能がない。閲覧は別に https://app.dayone.me/ を見る必要がある。そして閲覧中は検索はできるが編集はできない。要するに片手落ちだ。なお悪いことに、私は現在は Firefox の方が好きなので、Chrome 拡張機能も使えない。Chrome Store Firefoxify も試してみたが、うまく動作させられなかった。

携帯端末だけでの利用が苦しいのは、入力が辛いからだ。そこで、手元の Android 端末を経由することを考えた。Firefox に Pushbullet を入れる。Pushbullet でメッセージを Android 端末へ送る。Android 端末では Tasker を起動しておき、Pushbullet の着信通知を検知して、そのメッセージに shebang 的なマジックワードを発見したら、メッセージをインテントで Day One へ送付する。

Day One が起動していると、メッセージまで書き込まれるものの、最後に確定ボタンをタップする必要がある。起動していなければ、一切の画面遷移なしに投稿が完了するようだ。

無理に PC だけで頑張るよりも、こうして機械間の連携を利用した方が楽な場合もある。